みなさんこんにちはこんばんは。

「塾に通う」というのはどういうことか

自分は学習塾の運営をしばらくやっていますが、その中で「学習塾」って一体何なのか。
そして、「学習塾が出来ること」って何なのか。
そういうことについて考えることはとてもとても多いです。

なぜ塾に入るかって、それは「成績が上がらなくて困っているから」なんですよね。
そして学習塾は「おまかせ下さい!」と言わんばかりに、お子さんの入塾を受け入れるものです。

しかし、「塾に通う」=「成績が上がる」は、真実なのか?
という問には、残念ながら塾として、「NOかもよ」だと言わざるをえません。

今日はそんなお話をば。

塾に通い始めたら成績が下がる学生

まず最初に言及したいこと。それは、「塾に通うとどんどん成績が落ちる」
という、不思議な学生が一定数存在している、ということです。

これ、普通に考えたらあり得ないですよね?
でも、います。確実にいます。

皆さん考えてみて頂きたいです。どうして、そんなことが起こるのでしょう?

塾に通うと「安心」してしまう

その答えは、「塾に通って安心してしまい、自主学習をしなくなっている」から。
そういう学生は実際に一定数いるのです。そしてだいたい、
「何で塾に通っているのに成績が上がらないのだろう…」と嘆いているものです。

簡単です。自主学習をしろという、それだけ。

当然、塾は自主学習のマネジメントも行います。
例えば宿題を出す、毎回授業の最初にチェックをする。
さらにはチェック機構として毎回授業の最初に小テストを行うなどなど。
とにかく塾講師というのは「自主学習のマネジメント」のためにさまざまな工夫を行うものなのですが…

ただ一つ間違いなく言える事実があります。
1日中つきっきりで自主学習を見張ることはできないということです。

ということは?

どうしても学生は、「誰にも監視されていない状況下」で
「自分の意志で自主学習を行わなければならない」タイミングに遭遇してしまうものなのです。
…まぁ、当たり前の話、なんですが。

ところが、自主学習、「やらない」子はいつになっても絶対にこれを「やりません」。
そういう子は以下の「非常に良くないループ」にハマってしまいます。

  1. 授業の最初に【宿題の確認/小テスト】が行われるが、【宿題をやっていない/小テストで点数を取れない】。
  2. 当然前回の内容は頭からすっぽり抜けている(人間の脳なんて、1週間思い出さなかったことは全て忘れてしまうように出来ている)。前回の内容が頭にそもそも入っていないので、授業内容を先に進められない。
  3. 結局、前回の復習講義がはじまる。そして、授業が進まないままに、「次回こそ必ずこの内容を完璧にしておくように」と宿題を渡される。 ⇛ 最初に戻る。

つまるところ、「自主学習」をきちっと出来ない学生というのは、以下の2つの泥沼に簡単に足元をすくわれるのです。

  • 毎週必ず、前回の授業の内容を綺麗さっぱり忘れている(まぁ、塾行ったらまた教えてくれるからいいやという甘え)。
  • でも何だかんだ言って塾ではちゃんと解説を毎回やってくれるので、「まぁ、また次も塾行けば解説してくれるからいいや」という甘えが増す。

こうなったら、正直塾なんて通わないほうがいいです。
だって、塾に通って安心して勉強しなくなって成績下がるなんて、時間とお金の無駄ですよね。
それだったら、塾に通わず、危機感を持った状態で、少しでも自主学習をするほうが何百倍も良い。

「塾」にしがちな勘違い

「塾」に対してどうしてもしがちな

塾に行っているから安心!!

という勘違い。
場合によっては学生さんだけではなく、ご家庭全体でこういうふうに勘違いをされてしまうこともあります。

塾の先生の授業って学校の先生よりも分かりやすいんですよね。
しかもそれに加えて昨今の個別指導ブーム。「聞けば教えてくれる」ということから
「困ったときは塾が何とかしてくれる」思想に至ってしまう人は、実は結構います。

しかし、この思想は極めて危険なので絶対にやめたほうがいいです。
なぜなら、塾の授業自主学習両輪でしかないから。
これは、どんなに寄り添って指導をしてくれる個別指導だろうが、集団授業だろうが同じ。
どっちかが欠けたら駄目なんです。だから、自主学習が欠けたら成績なんて上がりません。

塾講師の仕事は、計算の仕方や考え方、テクニックを「伝える」ことでしかないです。
「あなたの代わりに計算練習」って出来ないんですよ。原理的に不可能。
だから、計算練習するのはあなた自身だし、悩んで納得するのもあなた自身なんだ。

教育に期待をしすぎてはいけない

近頃自分が痛感していることですが、「教育に期待をしすぎる」のはあまり良くないです。

塾講師をやっていると、こんなことにぶち当たることがあります。

  • あらゆる科目を教えてほしいと依頼される(場合によっては文系科目を教えてほしいと言われることもある)
  • 授業を試験前に大量に実施して欲しいと依頼される
  • 試験数日前に、知識ゼロの科目の対策を依頼される

正直言いますよ。俺ら神様じゃないんだからこんなん出来ないって。

我々塾講師だって人間です。出来ないことは出来ないです。
指導できない科目だっていっぱいあるし、分身することも出来ません。
魔法使ったみたいに0点を合格点に数日で上げることも出来ません。

でも、危機感で切羽詰まってしまったときというのは、こういう依頼をよーく受けます。
そして、恐らくこういう依頼を塾にぶつけてしまう学生さんや保護者さんというのは、
ちょっと学習塾というものに対する期待が大きすぎるんだと思います。

学習塾は「とてもいい補助教材」くらいの感じがちょうどいい

世の中には、補助教材というものがたくさんあります。
これは例えば、参考書だったり、最近でいえば映像授業アプリ(スタディサプリなど)だったり…
塾はいわば、並びとしてはこれらの「補助教材」と同じだと思います。

ただ、とってもいい補助教材なんですけどね。
質問すれば答えが返ってくるし、塾の授業ってわかりやすくなっているものだし。

でもでも、「だから何でもやってくれるはず」は間違い。
それもう、補助教材としての役割を明らかに逸脱しているんです。
塾の先生が「便利屋さん」「何でも屋さん」みたいに動くことはありませんし、
それを要求してしまうのは、ちょっとお門違いみたいなところがあるんですよ。

心構え

というわけで、塾へ通うときに「意識すべき心構え」をいくつか列挙したいとおもいます。

  • 塾に通っているからといって安心するべからず。講師は1日中見張っていることはできない。
  • 自主学習を欠かすべからず。1週間思い出さなかったことは、何にせよ人間は忘れてしまう。
  • 塾に期待をしすぎるべからず。塾はあくまで「良質な補助教材」くらいに思っておくべし。
  • 「塾も頑張るから、塾生も頑張ってくれ」というのが、塾からのメッセージです。
    ここがピタッとハマって、初めて劇的な学力向上ってのが実現されます。
    我々も「教え上手」でい続けられるように頑張りますから、あなたにも「教えられ上手」であってほしい。

    そんなもんよ。学問はそう簡単にゃうまくいかんのさ。

    用法用量を守って、楽しい「塾」ライフを。

    合同会社Haikara City CEO / 高専入試と高専のための学習塾ナレッジスター創業者 / スキルアップAI 講師 /高専映像塾ナレッジスター CEO / 社会人研修講師(数学/プログラミング/人工知能)