【※この記事には、ASKAのアルバム「Too many people」のネタバレが含まれます】

ついに来た。この日が…

Too many people

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ネットでも予約していたのですが、仙台のHMVで売っていたので、
我慢できずに買ってきて、早速聴きました。
何だか、開封をする手が気持ちに追いつかなくて、
こんな感覚になるのは、一体いつぶりなのだろう…と思いながら
Too many people、いよいよお披露目。

裏面。

裏面。

この人の作品を、こんな気持ちで待ちわびたことが今までにあっただろうか。

楽曲について語り始める前に、このアルバムを待ち続けたファンの気持ちについて語っておきます。
まぁ、皆さんもご存知であろうことですが、ASKAさん、ここ最近本当に色々ありました。
最初の薬物疑惑のときから、逮捕、そして執行猶予、
さらには二度目の逮捕、嫌疑不十分での釈放。
そしてブログ、テレビ出演に、今回の本とCDの発売…。

いや、ほんとね…
ファンは、気が気じゃなかったんですよ。

多分この「気が気じゃなさ」は、ASKA、そしてASKAの楽曲に対する
愛が深ければ深いほど、信じがたい程に辛く苦しいものだったと思う。
僕はさ、サザンとかミスチルやポルノやセカオワや、
色んなアーティストが大好きだから、まだ助かったんだと思うよ。

でも、世の中にはもっともっと昔から、CHAGE and ASKA、そして
何と言ってもASKAの楽曲に魅了をされて、
人生の要所要所で救われて、そのたびに愛を強くして…
という人が、とにかく数え切れないほど、沢山いたのだろう。

この中には、当然「ASKA一筋」の方も多く存在しているはずで、
そのようなファンの方々のここ数年の心境を想像してみると、
それだけで、想像して余りあるその辛さ、苦しさがあったのだろうと分かる。
本当に、辛かったと思います。僕も、本当に辛かった。
ファンの皆さん、この日までの間、本当に本当に、お疲れ様でした。

だからこそ「待ちわびた」作品

ここ数年で、本当にASKAファンは
「もうこの人の楽曲は聴けないのかもしれない」
と、誰もが思ったんですよ。

ASKAはCHAGE and ASKAのファンクラブ会員に向けて送ったデモCD「Be free」で

「自由になりなさい 楽になりなさい 誰かにそんな風に言ってもらいたい」

と歌いました。何だかここに、僕はASKAの魂からの救いを求めるメッセージを感じた気がします。

そして、ASKAはそれを最後に、一度目の逮捕を迎えたのです。
ASKAの最後の歌詞が、こんなんって、いくらなんでも悲しすぎると、
でも、もしかしたら帰ってきてくれるかもしれない…
という一縷の望みにかけて、ファンは信じてASKAを待ち続けたんです。

僕は、せっかくいろいろな場所で意見を発信できる状況に立っているので、
ただ待っているだけではいけないと、
ひとりのファンとして、ASKAに関することを発信し続けました。

その過程で、周りから色んな人にバカにされたりとか、
いろんなこと言われたりとか、すごくしたんです。
でも、この人は素敵なたくさんの楽曲を抱えて僕達のところに帰ってきてくれるんだと、
まるで自分に言い聞かせでもするかのように、とにかくASKAを待ち続けました。

■ CHAGE and ASKA | モンスターは死なない
■ ASKAさんのブログを読んで思ったこと | 1ファンによる,かなり偏っているであろう率直な気持ち
■ ASKAさんのブログの話の続報 | 新しいブログ…??
■ 泣きたくて仕方ないからASKAの話するわ
■ 「ASKA再逮捕」と「メディアの報道」について強く思っていること。
■ ASKAのニューアルバム「Too many people」 | 帰ってきてくれてありがとう。また「待たせたね!!」を聞きたい。
■ 700番(ASKA)を読んだ | 全て受け入れ、それでも前を向き続ける「ASKA」の再出発がそこにはあった

そして2度目の逮捕。僕は本当にあのとき、終わったなぁって思ったんです。
あぁ、いよいよこの人の曲、もう聴けないなぁって。

でも、尿検査とかお茶とかの話はいろいろ確かにあんまスッキリしないとこもあるけど、
なにはともあれ、不起訴、お咎めなしの状態でついにこの人は
たくさんの楽曲を持って、ファンのところに戻ってきてくれた。
僕は、単純に嬉しく思いました。

「700番 第二巻/第三巻」の最後のひとことを、
ASKAさんは「信じてくれてありがとう」で締めたんだよな。
ほんとその言葉を、どれだけ待ち続けてきたことか。
そして、「Too many people」を、どれだけ待ちわびていたことか。

ある意味で、今回のアルバムは
ファンにとって、今までのどんな作品よりも「待ち望んだ」ものとなりました。
今手元にあるこのCDの重みが、今までのどの作品よりもずっしりと感じます。

各々が圧倒的な個性を帯びた、13曲の楽曲たち

そしてこの、「Too many people」
なんだろね、1曲1曲進んでいくたびに、涙をこらえるのに必死になっちゃうんだよ。

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1曲目「FUKUOKA」で、まるで静かに帰りを告げるように、このアルバムは始まりを迎える。

そして、2曲目「Be free」を聴いたとき、全身のぶわっと鳥肌が立つのを感じた。
「Be free」は、CHAGE and ASKAのファンクラブ限定でデモ音源が存在したんだけど、
あれだけ悲しかったこの曲が、「Too many people」を見事に彩っている。
とにかく、サウンドもボーカルも、むちゃくちゃ化けていて、
プロの仕事ってこういうことか…と、とにかく唖然としながら聴き終えました。

3曲目「リハーサル」では、本当に久々に聴くASKAの尖ったサウンドに圧倒され、
このアルバムがどれだけ多種多様な色彩を帯びているのだろうという
期待感に胸が支配される。CDの盤面の虹色はきっと、そういう意味合いもあるのかな。

4曲目「東京」では、チューブラーベルが響く
軽快なイントロから始まり、これまた鳥肌が。
このASKAというアーティストは、それこそしきりにメディアで語られていた
「再起不能」なんて言葉とは、全くの無縁だ。
むしろ、この一連の騒動をすべて楽曲が帯びる説得力と衝動に変えて、
それをこのアルバムに詰め込んで持ち帰ってきたんだと。そう確信した。

5曲目「X1」は、700番で語られた楽曲の由来を思い出しながら聴くと
これまた印象が変わって聞こえて、

6曲目「それでいいんだ今は」では、
なんだか肩の力が抜けた、まるでCHAGE and ASKAでよく聴いたような
「いつものASKAサウンド」を見せつけられる。

そして、7曲目はアルバムのタイトルチューン「Too many people」
語りかけるかのように、言いようもない熱と共に進む楽曲は、
ASKAが放ちたくて歌いたくて仕方なかった、このアルバムに収録された楽曲の数々が
帯びた熱量を、アルバムの超ど真ん中で代表でもしているようだ。

8曲目「と、いう話さ」は、ASKAさんのブログでの事前の告知でもあったように、
楽曲で言うと「Now」のような世界観のロックチューン。
ASKAにこういう引き出しが今もあって、それをここで出してきてきてくれたことが
たまらなく嬉しく思った。ASKAソロは、最近特にだけど、落ち着いていたもんなぁ。

9曲目「元気か自分」は、これまた軽快なポップチューン。
サビの跳ねるリズム、そして流れるようなメロディがなんとも心地よい。
10曲目「通り雨」では、どこか切なげなサウンドに乗せて
世の中に生きる「たくさんの人々」の日常に寄り添う。
何というか、いろいろな風景を、スライドショーのように見せられている気分になる。

11曲目「信じることが楽さ」は、
なんとも今回の騒動もあるのかもしれないが、人生訓のようなものが詰まった楽曲だと思う。

「疑うことは寂しいことなんだ 人を信じることが楽さ」

ここで「楽」という言い回しをするのが、やはりASKAなのだろう。

「どんなに離れても僕は帰ってくる その繰り返し」

この言葉を歌に乗せてくれることをずーっと、僕らは待っていました。

12曲目「未来の勲章」は、何故か僕は、チャゲアスのことを思い出す。
どうしてなのかわからないけど、なんだろう、サウンドの感じかな。
それとも、歌詞の感じかな。

「クールでシュールでキュートな夢を守って
信じて愛して抱かれて 今を越えてくことになるのさ」

13曲目「しゃぼん」にはもう、圧倒されてしまった。
そう、ASKAのソロアルバムの最後は、こんな感じだったよと。
歌詞がとにかく、凄い。ASKAの真骨頂って、こういうことだった。

自分自身を、美しくも儚い「しゃぼん」に例えながら、

「僕の上に天使はいるかい 胸を躍らす光はあるかい
僕のそばに君はいるかい 見ていてくれるかい」

と、自分自身を信じてくれと言わんばかりに、
音楽人ASKAが、ASKAの言葉とASKAのメロディで叫んでいる。

きっと、ASKAの音楽を愛するファンに、この曲は贈られているのかな。
何だか、僕はこの曲を聴いて涙が出てしまった。
今時系列順に並んでいるASKAの作品たちの中で、
いまのところ一番最後にあるのがこの「しゃぼん」という楽曲になってくれて、本当に良かった。

ミュージシャン「ASKA」のあらゆる側面。このアルバムにはそのすべてが詰まっている。

13曲、一度も息をつかせぬまま、飽きさせぬまま、
このアルバムは1時間以上にわたって「ミュージシャン ASKA」のすべての側面を
我々に見せつけてくれているのだと感じました。

「音楽の教科書」みたいな、そんなアルバム。

これだけの作品群を生み出すまでに、ASKAは途方もない挑戦、失敗、成功を
積み重ねて、そしてその都度それをファンも共有して、
そして2014年に起こった、辛くて仕方がない出来事を経ての、
この、ASKAの意地と本気をこれでもかと詰め込んだ、渾身の傑作。

これはさ、ファンはさ、感動しないわけがないよなぁ。
というか、ファンじゃなくても、1回聴いてみてほしいよ。
この人がどういう人か、このアルバムだけで全部分かってしまいそうだ。

終わらない天才の魂の叫び

このアルバムを僕なりに一言で形容してみるとするならば、

「終わらない天才の魂の叫び」

とでも言うべきだろうか。

あなたはファンに「信じてくれてありがとう」と言ってくれたが、
僕も含め、ファンは「帰ってきてくれてありがとう」と心から思っているはず。

本当に、帰ってきてくれて、こんな凄いものを届けてくれてありがとう。
あなたのような人を目標にしながら、
僕も日々のたくさんの出来事に全力を尽くしていこうと思いました。

必聴。以上。