NewsPicksっていうニュースキュレーションメディアで僕は
いつもニュースを読んでいるんですが,教育系でこんなタイトルをふと見つけました.

■ 教育業界12年目の嫁が語る、個別指導塾の深すぎる闇。
https://newspicks.com/news/1914564/

「個別指導塾の闇」が深いことは,僕もよく感じている

この記事を書かれた「嫁」という人は教育業界12年目.
僕も数えてみたところ,僕は教育業界11年目.
ということで,ほぼこの人と同じくらい教育業界にいるということになります.

てなわけで,どれどれ,どんだけクリティカルな事柄を
暴露してくれちゃってんのよ…ワクワク…
と思いながら,この記事をポチッと開いてみたわけです.

内容を要約すると

で,読んでみました.記事前半では「夫」の方が登場して,
「教育業界12年目の嫁が素晴らしい記事を書いてくれました!」
「それではどうぞ!」という風に,「嫁」さんにバトンタッチ.

そして,こういう一文で「個別指導塾の深すぎる闇」を語り始めます.

(引用)
通算12年、教育業界で仕事をしてきて、非常に多くの学びがあったのですが、同時に様々な疑問も感じてきました。

中でも、「個別指導塾」は違和感を感じることが多々あります。先日久しぶりにその個別指導塾に思いっきり振り回されたので、その実態と、彼らとの正しい付き合い方について述べていきたいと思います。

そして,次のような順番で,話題が展開されて行きます.

  1. 個別指導塾のスタッフの質が低い
  2. ミスにミスを重ねる
  3. 生徒や保護者の想いすら無下にしてしまった
  4. 個別指導塾は教育を粗末に扱いがち
  5. 依存しないから好きな仕事を続けられる

「個別指導塾の闇」なんて,語り始めたら10000字じゃ収まらんほどの
超大作が出来上がって当然くらいのものだと思っているので,
自分もどきどきしながら読み進めはじめましたが,あまりの短さに拍子抜け.
字数数えてみたら「2925文字」でした(「嫁」さんが書いている部分).

で,肝心の内容というのも,要約すると…

  • 事務社員や管理職の仕事のクオリティが低い.それによってご家庭を怒らせてしまうこともある.
  • 社員の手違いでラスト授業を出来なかった生徒に,手紙と教材を郵送した.
  • 社員は生徒のこと考えていない.教育を軽く見ている.
  • でも私はいろんな働き口あるしまぁ良いや.

という感じでした.

あのさ,いくらなんでも内容薄っぺらすぎないか?

まず読んで思ったんですけど,ほんとに12年も教育業界にいた?
いたんだったら,真面目に教育業界の構造と向き合ってた?

なんか,ひどすぎるよこの記事.
まずはさっきの「要約」に一つ一つツッコミ入れてみますが…

  • 事務社員や管理職の仕事のクオリティが低い.それによってご家庭を怒らせてしまうこともある. ←確かにそういう傾向あるだろうけど闇の「本質」ではない.
  • 社員の手違いでラスト授業を出来なかった生徒に,手紙と教材を郵送した. ←あなたのいい先生アピールは知らないです.
  • 社員は生徒のこと考えていない.教育を軽く見ている. ←ここは本質にわりと近いと思うけど,さらっと語って終わらせすぎ.
  • でも私はいろんな働き口あるしまぁ良いや. ←知らねえよ!!

「闇」なんて何にも語れてない

まずさ,この書き方の記事見た一般の人って何を思うんだろう?

「結局,あなたが最近塾の社員に振り回されて気分悪かったから,悪口みたいな感じで書いてるだけだよね?」

で終わりでしょう.僕ですらそういうふうに読める.

だって,考察や分析があまりにも浅すぎて,個別指導塾業界の根深い問題点なんて
1つたりとも洗い出せても,暴露できてもいないじゃないか.

12年教育やってて,暴露する「深すぎる闇」が,これ!?(^_^;)

12年も働いていたんだったら,もっと深い闇沢山見てきたでしょうよ?
それこそ,3000字なんかで到底収まるはずもないような
何から語ればいいのかも全くわからないような,
たくさんたくさんのどうしようもない問題点をずーっと見てきたんじゃないの??

この記事の内容を「深すぎる闇」だって言って世の中に放っているのなら,
それは12年間,大して教育業界の構造になんて,真面目に向き合って来ませんでした
ってことにならないかなぁ…ちょっと,あまりにも内容が浅すぎて愕然としてしまう.

最後の「まぁ,私は他に働き口たくさんあるから別にいいんだけどね」
みたいな感じが,それを物語っている気がしてならない…
なんか,こういう記事がNewsPicksとか大手メディアに掲載されちゃってるのを見ると,
「民間教育業の人間は所詮こんなもんかい」と思われてしまいそうで
ものすごくやりきれない気持ちになる…(NPのコメ欄がほとんど否定的なのが救いだけど…)

なんというか,自分がたまたま職場の塾で社員に振り回されて腹立ったから
個別指導塾業界すべてを悪者にして,いかにも私はベテランとして問題提起を
しているんですよ〜(ドヤッ) みたいな感じでやるのではなくて…

個別指導塾という業界全体がそもそもとして抱えてしまうことになる
共通の問題点を「闇」と定義して,それを淡々と語って行くみたいにしないと,
その「闇暴露」は何の説得力も帯びないし,単なる愚痴にしか映らないと思う.

個別指導塾の「深すぎる闇」の個人的考察

僕は,(大手)個別指導塾が構造的に抱えてしまう「問題点」は幾つかあると思っています.
そして,その「問題点」が生まれる理由というのは,

(大手)「個別指導塾」のそもそものビジネスモデルの構造

に尽きると思っています.

このビジネスモデルは上手く出来たビジネスモデルなのですが,
色々な欠点も孕んでいて,そのしわ寄せを「優秀な講師」「ご家庭」が一手に引き受けるような
構造になっている.という分析を自分はしています.

これに関してはこの記事だけで語り切ることは不可能なので,
久々にこのブログで連載でも始めてみようかと…(あまりにも逆風が強かったらやめますが).

とにかく,最初に挙げた記事を読んで僕はあまりにもガッカリしてしまったので,
何らかの形で,もっと真面目な声を上げておかなければ…ということで
この記事を書きました.近々連載で,がっつり語ってみようと思います.