2016年7月に宮城県石巻市で開催されたap bank fes 16でBank bandが披露した
「ロストマン」(BUMP OF CHICKEN)のカバーを遅ればせながらしっかりと聴き,
なんというか言いようもなく心が震えたもんで,今この記事を書いております.

すごい人たちは新しいものへのリスペクトを忘れない

僕はサザンだとかミスチルだとか,チャゲアスだとかが大好きで
いつもいつも彼らの音楽を聴きながら,ラジオやらテレビやら書籍やらで
彼らの考えていること,信念なんかもチェックしたりとかしています.

そんな中で感じることは,彼らは「最近の音楽」「新しい音楽」へのリスペクトを
とにかく忘れず,自らの音楽に積極的に取り入れ続けているということです.

桑田佳祐

例えば僕が最も尊敬する「桑田佳祐」さん.
彼が毎年必ずラジオの企画で発表する「桑田佳祐が選ぶ今年のJ-POPベスト10」
彼が「最新のヒットチャート」の方向に伸ばすアンテナの感度の強さを物語っています.

例えば最新の2015年.

・10位 『東京ドライブ』(TOKIO)
・9位 『鳥になりたい』(臼澤みさき)
・8位 『新宝島』(サカナクション)
・7位 『もんだいガール』(きゃりーぱみゅぱみゅ)
・6位 『愛を叫べ』(嵐)
・5位 『トリセツ』(西野カナ)
・4位 『海の声』(桐谷健太)
・3位 『君がいなくちゃ』(佐野元春)
・2位 『PLAYBACK』(JUJU)
・2位 『褒めろよ』(GLIM SPANKY)
・1位 『超えろ。』(槇原敬之)

Bank band

そして,櫻井和寿と小林武史がメインとなって構成され,日本の名曲をカバーしたり,
時にはオリジナル曲を発表したりという活動を行うBank bandは,
「沿志奏逢」というアルバムを,シリーズで何度か発売しています.

沿志奏逢,最初のうちは「J-POPのクラシック」とでもいうべき楽曲を
アコースティック&ピアノメインにカバーしたアルバムだったんですよ.

沿志奏逢

「沿志奏逢2」あたりから
「昨日のNo,明日のYes(GAKU-MC)」「歌うたいのバラッド(斉藤和義)」
あたりのカバーをしはじめ…

沿志奏逢2

さらには「沿志奏逢3」では
「若者のすべて(フジファブリック)」「有心論(RADWIMPS)」
という,今までの櫻井和寿像とは結びつかなかった選曲の連発.

沿志奏逢 3

その後もBank bandは,ap bank fes開催のたびに「!?」と驚いてしまう,
「新しいJ-POP」を積極的にリスペクトし,カバーし続けています.

そんな中での「ロストマン」

ap bank fes’16は,実は久々の開催となったap bank fesでした.
どんな楽曲がBank bandによってカバーされるのか?
楽しみなところでしたが,なんとカバーされたのが「ロストマン(BUMP OF CHICKEN)」.

ロストマン/sailing day

実は結構前から,櫻井さんは「BUMP OF CHICKEN」が好きだと
様々なメディアで語っていました.しかし,
「彼らの楽曲を表現しきれないので,カバーはしない」
ということも,同時に公言していたのです.

だからね,今回の「ロストマン」の披露は,まさに「待望」のカバーだったのよ.
しかも,ミスチルもバンプも,学生時代からずーっと身近にいるアーティストだもの.

実際にカバー音源を聴かせていただきましたけど,
何とも,原曲のエッセンスは残しておきつつのきちっと
Bank bandカラーにアレンジされた,名カバーだったと思います.

次は「前前前世(RADWIMPS)」あたりカバーしそてくれそうな予感がしてます.

カバー曲を無条件で否定する人

今回,Bank bandが「ロストマン」をカバーしてから,いろんな人の意見を見ていましたが,
やっぱり,「カバーよりも原曲のほうがいい」「原曲ぶち壊し」とか言ってしまう人は結構います.
まぁ,そりゃいるよなそういう人も,とは思うんだけど,

「僕はオリジナルアーティスト(この場合でいうBUMP)のファンなので,
 オリジナルアーティストしか認めません!!」

という頑なな主張は,せっかく様々なアーティストによる素晴らしい音楽が
世の中にこれだけ溢れているのに,それらに触れる機会を自ら逃している気がしてならない.

例えば,今回の「ロストマン」のカバーは,

「トランペットが原曲の雰囲気を壊している」
「ストリングスが原曲のニュアンスを変えてしまっている」

という声が散見されたのだけど,それはちょっと視野が狭くないかなぁ.
Bank bandは,BUMP OF CHICKENの「コピー」をしているわけではない.
あくまで「カバー」をしているんだ.「Bank bandの色でロストマンを表現する」のが役目なんだ.

アーティストの個性が最大限に反映されて,その楽曲が違う彩りを帯びるというのは,
何だかとてもおもしろくて素敵なことじゃないだろうか.
「オリジナルアーティスト」のテイクが最高であることはもちろん多いけれど,
それを抜きにして,いろいろな視点から1つの楽曲を楽しめる視野の広さがって大切だと思います.

僕が知っている「カバー曲」の中で「最強」なのは…

ちなみに,僕もいろんな「カバー曲」を聴いてきましたが,
あー,このカバーは最強だなぁ…と心の底から今も思っているのは,
「シャ・ラ・ラ(奥田民生&つじあやの/原曲サザンオールスターズ)」です.
これは正直,原曲を遥かに凌駕する「良さ」があると思う…最高でございます…