教育日記高専

【連載】僕が「高専」という選択肢をオススメするいくつかの理由② | 僕からみた高専と高校のいいところ

昨日の記事が想像をはるかに超える反響をいただいて,なんだかビックリしています(^_^;)
ご覧いただいた皆さん,本当にありがとうございます〜.
(おかげさまで,昨日はこのWEBサイトHaikara Cityが過去最高のアクセス数を記録しました)

「高専」と「高校」

やっぱり,「高専」が「イイ」とか「ヨクナイ」という意見は,
本当は「高専」と「高校」を比較した上で,
総合して判断したとき,「高専いいよ!」とか「高専やめたほうがいいよ!」
と,言ってこそ説得力が生まれると思うんですが,
なんせ高専と高校に同時に行くことはできないので,
「どちらも経験した上で比較する」ことは原理的にほぼ不可能なわけです.

ただ,僕は「行ったのは高専」でしたが,「職業柄,高校のことを間接的に知ることが結構多い」
という立場にたまたま立っているので,もしかしたら多少説得力を帯びたことが
言えるかもしれないなぁ,とか思うのです.
なので,ちょっと僕が思ういいところ,悪いところをつらつらと述べてみようかと思います.

僕が思う「高校」のいいところ

(1) 圧倒的にマジョリティである

なんといっても,最大の利点というのはここなのじゃないかなぁ,と思う.
やっぱり世の中には「高校」に通っている(いた)学生のほうが圧倒的に多いです.
だから,世の中のいろいろなことは,「高校生」「高校卒」
を念頭にチューニングされてます.

やっぱり世の中には「高校」のことを知っている人のほうが圧倒的に多いし,
どこの職場でも,「高校卒」の人が圧倒的に多いし,
どこの学習塾や予備校でも,「高校生」を念頭に置いている.

だから,受験とかのときには,塾とか予備校の力をものすごく簡単に借りられますな.
高専生をちゃんと念頭においた民間教育業というのはほぼ無いです.
大手とかで受け入れているところもありますが,基本的に割り当てられるのは
高専卒でもなんでもない,「高専のこと知らない」適当な先生であることが多いです)

(2) 進路に制限がかかりにくい

あと,やっぱり「普通高校」に行った場合,
将来の進路に「制限」がかかることは「ほぼ無い」ように思います.
大学進学のときに「行きたい学科を好きに選ぶ」ことが出来るし,
まぁ高専卒と比較した時に,「どっちにでも行きやすい」ことはやっぱり否定できない.

(3) 学校生活が高専と比較して華やかに見える(気がする)

あとまぁ,やっぱり「絵に書いたような学校生活」を
普通の高校では送れるよなぁ,と思います笑
(いや,これはあくまで僕から見たらそう見えるってだけだが!?)
学校祭とか,教え子から話きいてても,高専祭とは雰囲気からガラッと違うもんなぁ.

僕が思う「高専」のいいところ

(1) 普通高校生が体験する「受験」を体験しなくていい

僕は高専の一番いいところはこれだと思っている.

普通の高校生は,大学進学をするならば,

センター試験 → 2次試験

というルートを(AO入試等を除いただいたいの人は)経る必要があって,
そのためにとにかく度重なる模試,受験対策,模試,受験対策…

対して,高専から大学に編入学するには

編入試験

以上なのです.

高専から「大学編入」をしようと思った時にとる対策は,
(大学編入試験の対策をできる学習塾やら模試やらが無いってのもあるけど)
んまぁ,過去問演習を学校で先生の力を借りてひたすらやるくらいのもんです.

で,編入試験って,「楽」かつ「勉強したことがそのまま役立つ」なんですよ.
まずもって,センター試験というものを受けなくて良い(個人的に,これがめちゃくちゃデカイ!! 「センター試験で点数を取るために覚えなきゃいけないこと,やらなきゃいけないこと」ってめっちゃ多くて,それが正直な話,かなりのタイムロスであると思っています)
ということと,
科目とかに関しても比較的に限定的で,「受験テクニック」が基本的にいらない.
大学に入ってから学ぶことをの「先取り」をするようなイメージだと思います.

(ここからはあくまで僕の所感なのだけど)
センター試験等のために勉強することって,あくまで「受験のための勉強」
であることが多い気がしています.それこそ,受験テクだったり,センターのための対策だったり.
だから,大学とかにいって,研究活動を念頭にさぁ勉強するぞってなったときに,
「受験のための知識」がそのまま生きることってあんまり多くない気がするのよね.
対して,編入学試験ってけっこう大学入ってからやるような内容が
そのまま出題されることが多いから,編入学試験をかっちりやることは
大学に入ってから役に立つ知識をそのまま身につけることに繋がっている気がします.

僕は高専を卒業して東北大の理学部数学科に編入学したけど,
まぁー普通に東北大学に入学した人たちと比較すれば,
間違いなく少ない労力で入学をさせてもらえたんだろうなぁ.

(2) 就職したいとしても,まぁまずもって困ることはない

高専はよく「就職率100%」を謳っていたりすることがあるのですが,
これは実は,ちゃんと本当の数字です.
高専を卒業して就職するときって,求人倍率が相当高いので,
就職できずに終わるということは,まぁまず無いと言っていいのではないかと思います.
(少なくとも僕のときはって話だけどね.でも今も大して変わってないんじゃないかと思う)
なんつっても,「5年間で専門的な教育を最短ルートでビシッとされる」というのは
何だかんだで即戦力の養成にはなっているんですよね.高専卒の社会での活躍ってやっぱり目立ちます.

さらに,大学受験も就職も万が一失敗したぞ!ってときは,
高専本科5年の上にさらに設置された「専攻科」へ進むという選択肢を取ることもできます.
専攻科というのはまぁ,大学院みたいなものをイメージしてもらえばいいと思うのですが,
高専にプラス2年間残り,その後「ふつうの大学院」の修士課程に入るか,
就職をするかという選択です.こういう意味で,「将来のリスク」は,高専は極めて小さいです.

(3) マイノリティではあるが

先ほど,普通の高校は「圧倒的にマジョリティ」であることが最大の利点だと書きましたが,
かといって,「高専がマイノリティなのは悪いことなのか」というと,そんなことはないと思っています.

どういうことかって,マイノリティであることを活かす生き方ってあるんですよ.
例えば僕は「高専卒」という,世間から見ればマイノリティに属しています.
しかしながら,僕はいま教育業に奉職する上で,「高専卒であることがかなり役立っています」
というのも,高専生や,高専から大学に編入したい学生さんっているじゃないですか.
そういう学生さんの先生って,やっぱり高専にいたことがある人が一番イイんだよね.
「実際にいたから高専を知っている」人と「調べて高専を知っている」人では,
(少なくとも教育職においては)かなり大きな差があると僕は思っています.
(やっぱり「経験的なアドバイス」が出来ることっていうのは,すごいアドバンテージなんだよねー)

さらに,マイノリティであるからこそ生まれる結束感ってのもまたあって…
その代表ともいうべきコミュニティが,高専カンファレンス ではないかなと思っています.
過去記事「高専カンファレンスって知ってる? | マイノリティのパワーは強し」

いわば,全国に散らばった「マイノリティたち」が集まって,
ものすごく大規模な勉強会が定期的にすごい勢いで実現出来てしまっているのがこの「高専カンファレンス」.
さまざまな情報や,驚き,繋がりが所狭しと飛び交うこのイベントに,
僕も途轍もない影響をもらったなぁと思っています.
「行動する」ということの大切さを教えてもらったというかね.
こういうものが生まれているのは,「高専というものがマイノリティだったから」だと思うんだよね.

次回へつづく

ということで,次回は「これらを加味した上で,僕はやっぱり高専ってオススメなんだよなぁ」
って内容で語ってみたいと思います.たぶん,次で最終回かな?
最後まで読んでいただき,ありがとうございました.

合同会社Haikara City CEO / 高専入試と高専のための学習塾ナレッジスター創業者 / スキルアップAI 講師 /高専映像塾ナレッジスター CEO / 社会人研修講師(数学/プログラミング/人工知能)

【連載】僕が「高専」という選択肢をオススメするいくつかの理由② | 僕からみた高専と高校のいいところ” への5件のフィードバック

  1. はじめまして

    古い投稿にコメントをさせて頂き申し訳ありません。
    質問があります。

    この度、息子が高専受験に失敗をしました。
    そして、高専対策していなかったため
    公立高校受験に自信がないと言い
    偏差値43の高校に入学しました。
    家から一番近いので、通学のロスタイムを勉強にあて
    大学受験に向けて頑張ろう!と言うことで高校入学しましたが
    高専への未練がぬぐい切れずもう一度受験を希望しています。

    先生は「高専は素晴らしい」と書かれており
    息子も私たち親も本当に素晴らしいと思っています。
    が、1年遅れて入学することに先生は賛成されるでしょうか?

    地元の国立大学工学部または技術科学大学
    公立がダメなら豊田技術科学大学への進学に向けて
    学習塾に通い始めましたが
    偏差値43の高校から、そのような大学への進学はまれで
    モチベーションを維持していけるのかなど不安もあります。

    先生のお考えをお聞かせください。

    1. y/iさま
      コメントありがとうございます。この記事の著者の明松と申します。
      高専受験、残念ながら失敗ということで、心中お察し致します。高専受験は毎年毎年、「不思議な合格」も「不思議な不合格」も一定数あるもので、いつになっても分からないものだなと思いっぱなしです。正直、高専受験に関してはちょっとばかし運的要素も強いような気もしています。

      そして、高専の再受験を希望されていることで、そのようなご相談を頂き光栄に思います。結論から申し上げますと、そのように「高専に一度不合格となり、もう一度受験する」という学生は過去に何人か見たことがあります。ご本人と保護者さまにとって納得の行く選択であるならば、是非チャレンジをしてみて頂きたいなと思います。ただし、再受験の際は「推薦入試は受験できない」ことになると思いますので、その点はご注意ください。学力試験の一本勝負となり、内申点はおそらく、中学時のものが使われることになるはずです。

      基本的な流れとしては、「高校にとりあえず在学しておいて」、高専受験の勉強を並行して行い、高専を受験し、合格したら退学し高専に入学するという流れを踏むことになるかと思います。「学年が1年間ずれる」ということに関してましては、全く心配は無用です。なぜなら、高専にはそもそも留年してしまう学生も一定数おり、「学年のズレ」が日常茶飯事です。さらに、1年入学時には他の入学生も「周りは初対面ばかり」です。1年遅れが何か問題を生じさせることは、ほぼ皆無であると断言しても良いでしょう。

      また、進学先についてです。実は技術科学大学は「高専からの編入学」がほぼ前提となっている大学ですので、実は「高校を出て一般受験で入学」のほうが特殊事例です(技術科学大学は学生の大多数が高専からの編入学での3年次入学生です)。ですので、技術科学大学への進学をご希望されるということでしたら、なおさら高専に入学しておく意味が大きくなります。国立大学工学部を志望されるということでも、進学実績が芳しくない高校から進学をするよりは、高専から編入学、あるいは高専専攻科からの大学院入学というルートをたどるほうが、進学の可能性は高くなるのではないかと思います。

      以上より、現在のy/iさまのお考え、また、お子様の置かれた状況から考えるに、高専の再受験はかなり「良い」選択肢なのではと思います。「あのとき高専に入れていれば…」という気持ちをずっと抱えながらこれから高校生活を送っていくのも、それはそれで苦しいものがあるのではないでしょうか。是非、納得の行く進路選びを追求されてみてはいかがでしょう。何かお困りのことがありましたら、いつでもご相談ください。

  2. ご丁寧なお返事ありがとうごうざいました。

    高専の再受験は何人か見た程度の少数派なのですね。
    本人は再受験してでも高専に行きたい気持ちでいますが
    保護者の方は揺れています。
    将来はトヨタやソニーのエンジニアになりたいそうです。(車と音楽がすきなので)
    大きすぎる夢ですが、親としては応援したいと思っています。

    <メリット>
    ●学習環境が素晴らしいので、知識技術をつけて進学就職に強い
    ●なにより、本人がやりたい勉強なので意欲的に取り組むと思う
    ●高校から希望の大学へのハードルは高すぎるので、実現させるためには本人の努力と塾等の金銭的な負担が大きいので高専からの編入の方が負担が少ない
    ●長岡技術科学大学であれば家からも通えるのでさらに負担が少ない

    <デメリット>
    ●良い就職先を得るためには大学院への進学が必要であり、順調でも26歳で卒業だが1年遅れてしまう。
    ●高専に入った後、勉強に行き詰まったり留年したりしたらさらに遅れる
    ●1度落ちたくらいの学力なので高専についていけなかったらどうしようか
    ●大学3年生編入では、友達もできず孤立してしまうのではないか(東工大や新潟大学に進学の場合)
    ●華やかで楽しい学生生活が送れない

    中学1年から高専への進学を希望してはいましたが、学習は進んでおらず
    偏差値45くらいでしたが、3年生になりようやくエンジンがかかりはじめ
    2学期終盤からは高専に向けての学習を真剣に取組んでいました。
    偏差値57くらいがやっとでしたが、頑張ればできる子なのだと知ることができました。
    しかし結果がでなかったことは必然だと思っています。
    目標は掲げていながらも取り組みが遅れたことで失敗した。
    この現実をしっかり受け止めて欲しいとも思っています。
    (後戻りせず、大学受験に向かってほしい)
    しかし、高専に何度も見学に行ったので素晴らしい学校だということはよくわかっています。

    親は余計な心配ばかりをして案じております。
    こんな心配を笑い飛ばせるほど、1年遅れてでも高専へ進む意味はありますか

    1. y/iさま
      なるほど。ご丁寧に状況を教えて頂きありがとうございます。
      はい、少数派であることは確かでしょう。ですが、高専に対して思い入れの強い学生さん、保護者さんであれば、「再受験」という選択肢を取ることも一定の割合であるようです。やはり、魅力的な学校であることは間違いないとは思いますし(もちろん、向き不向きがあるというのも確かですが)。
      ご本人の夢もとてもご立派ですね。今の年齢でしっかりとやりたいことを見据えて、そこへのパスとして高専を選択するということはなかなか誰にでもできることではありません。あくまでご家庭とご本人のお話ではありますし、自分のような部外者が「こうしたほうが良い」などと言い切れるようなことではないということは重々承知の上ではありますが、その上でメリット、デメリットに回答させていただきたいと思います。

      <メリット>
      ●学習環境が素晴らしいので、知識技術をつけて進学就職に強い
      ⇛ 仰るとおりかと思います。また、専攻科等、進みやすくバリューのある進路も用意されています。
      ●なにより、本人がやりたい勉強なので意欲的に取り組むと思う
      ⇛ そうですね。
      ●高校から希望の大学へのハードルは高すぎるので、実現させるためには本人の努力と塾等の金銭的な負担が大きいので高専からの編入の方が負担が少ない
      ⇛ 編入のハードルは今、若干高くなっています。例えば、挙げてくださっている「東工大」については、一般入試にしても編入学にしても、合格にはかなりの努力が必要になります。新潟大はちょっと調べてみなければわかりません。しかしながら、技科大に関しては、クラス半分くらいの成績を維持していれば、手堅く入学できます。また、専攻科(高専の延長。学費が安く、慣れた環境で+2年学べます)という進路を選び、大学院に入学という流れは、近頃かなり取りやすくなっています。
      ●長岡技術科学大学であれば家からも通えるのでさらに負担が少ない
      ⇛ 長岡技科大は、高専からの入学は「かなりしやすい」です。ちなみに、高校⇛長岡技大は多くありません(長岡技大は「編入前提」の大学です)。

      <デメリット>
      ●良い就職先を得るためには大学院への進学が必要であり、順調でも26歳で卒業だが1年遅れてしまう。
      ⇛ 高専卒での就職先もかなりハイレベルです。また、就職率もほぼ100%です。卒業が1年遅れであることは、ほとんどの場合何の問題にもなりません。
      ●高専に入った後、勉強に行き詰まったり留年したりしたらさらに遅れる
      ⇛ 留年してしまう学生は、(一概には言えませんが)クラスの下から2人程度であることが多いです。よほど孤立したり、よほどサボってしまったりしない限り、基本的に留年はしないと言っても良いでしょう(もちろん、高専、学科による差もあります)。
      ●1度落ちたくらいの学力なので高専についていけなかったらどうしようか
      ⇛ 入学時の学力は高専入学後、ほぼ関係なくなります。入試の点数と高専定期試験の点数、編入試験の点数には殆ど何の相関もありません。
      ●大学3年生編入では、友達もできず孤立してしまうのではないか(東工大や新潟大学に進学の場合)
      ⇛ ご本人次第かと思います。自分は学科の自主ゼミやサークル活動で友人を作りました(東北大に編入学しました)。
      ●華やかで楽しい学生生活が送れない
      ⇛ (笑) 高専は意外と普通の学校なので、学校生活も意外と普通に楽しいことが多いですよ。

      あくまで私個人の意見でしかありませんが、意外とあっさりと「心配を笑い飛ばせる」くらいになるのではと思います。
      お子様の熱意もあるのでしょうし、意外と1年遅れ、入ってからの勉強は、何とかなってしまうものです。
      高専の先生も丁寧にケアをしてくれるものですし、実はあまり心配は必要ないのではと思います。
      むしろ、頑張るべきは、もし再受験をするのなら「再受験に向けての勉強」という部分かと。
      その際は、当ページで公開しております高専入試対策教材をぜひご利用下さい。

      保護者様にとって、そしてご本人にとって、最適な選択肢が見つかりますことをお祈りしております。
      ご不明なこと、ご不安なことはいつでもご相談くださいませ。

  3. 早々のお返事ありがとうございます。
    このような、どこの誰ともわからない保護者のうだうだした戯言に
    アドバイスをいただいて、本当に感謝いたします。

    周りに高専を知っている人もなく、塾の先生は総合大学への進学をすすめてくれるので
    なかなか相談できる人がおりませんでした。

    私の上げたデメリット、不安を取り除いてくださるコメントをいただき
    やはり前向きに検討してみたいと思いました。
    主人は「もしも入れてもついていけないんじゃないか」と心配して反対しております。
    夫婦と息子でよく話し合って、進む方向を決めていきたいと思います。

    コメント、本当にありがとうございました。

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